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「天の美禄」を止めますか?

大人の文化と酒の飲み方

ワンカップはどう生まれ、どこへ行くのか?

「酒を混ぜる文化」考

諏訪杜氏の特質と「出稼ぎ」労働力輩出の背景

日本の蒸留酒の未来(上)

日本の蒸留酒の未来(下)

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大地の精霊とワイン

文明化の一極として
  ある文化の酒


「乾杯」越境した酒作法
酒論稿集
酒の文化論
ワンカップはどう生まれ、どこへ行くのか?
地球温暖化時代の日本酒
−将来的なカップ酒の可能性ということではいかがですか?
長部 どう思いますか? ぼくは、まあ減らずに横ばいかな、と見ています。
−カップ酒全体で?
長部 ええ。地方のメーカーはいままであまりやっていませんから。トータルでいけば、売れるかなあという感じですけどね。
谷本 ぼくは実需がね、今後のカップ酒の動向次第で、二倍とか、そこまで増えることはなかなかないと思います。ただ、いまのあんまり上がり気味でない日本酒の業界の需要についてはですね、たぶんカップ酒がひとつの大きな転機になると思います。
 特に私が注目しているのは、温暖化です。そうすると冷蔵庫に入れるということが、日本酒の保存では前提になってくる。つまり小容量のものとなれば、まさにカップ、パック、そういうものになってくると思います。
長部 チャネルでいえば、自販機が減った分、コンビニの棚には必ず入っています。ありがたいことです。
谷本 そうですね。明らかにいま、販路も拡大していますよ。さらに質の話ですね。
長部 うちも、バリエーションで大吟醸を始めたんです。プレミアムって名前つけて。
−これは、おいくらなんですか。
長部 二五〇円です。いま上撰が二一四円ですから。安いですよ、これは。大サービスです。去年、うちがワンカップ発売してから四〇周年ということで限定発売したのですが、続けてほしいという要望が強かったもので、継続することにしたのです。
谷本 いま大関さんも大吟カップを発売されているということでいえばね、ひとつの大きなシーンを形成すると思います。

トライアル・ユースの可能性
谷本 さらに、いま東京では単身者が三分の一もいます。これは高齢単身も、若い方も含めてですが、もっと増えると思います。それから先程から言われている注ぐ、注がない。そういうふうな酒の飲み方は、だんだんなくなってくると思うのですね。
 となると、自分で独酌をする。あるいはなにかにつけて売る、買うということですね。やはりカップ酒が大きな役割を果たしてくると思いますね。
 そういう意味では、個人の「コミュニケーションメディアとしてのカップ酒」というのも、役割として大きくなるんじゃないでしょうか。
−いまの谷本さんのお話だと、カップ酒が登場するシーンや飲む場面がこれからものすごく増えていくと。
谷本 さらにいうと、日本酒を全然飲まれない方に一升瓶を買ってくださいというのは無理です。でもカップ酒なら、まったく飲んだことのない人に対しても、提案は可能です。「これ、飲んでみようか」というトライアル・ユーザー。どうぞ、飲んでみてくださいと試供品で配ることも十分可能です。
 ですから、お酒に対する敷居がすごく低いのですよね。
−最近ですと、東京にはカップ酒専門のバーみたいなのもできてきまして。そこには、あまりふつうには市販されてない純米とか吟醸とか、いろんなメーカーのカップ酒が並んでいます。
長部 それは一品が全部六〇〇円なんですよね。普通酒から吟醸酒からなんでも一品六〇〇円。新聞などを見ていると、一本自分が買って連れの人が別なのを買って、半分自分で飲んで交換しながらやってるらしいですな。トライアルという面からいったら非常にいいですね、それくらいの量のほうが。お互いに半分ずつにすれば、一〇〇ミリ弱ですからね。
 いいものをちょっとということで、小さい容器で吟醸出したら女性用にいいですな。
谷本 女性用なんてあえて言わなくても、手に取ると思いますよ、自然にね。
 もうひとつ、女性の飲酒っていうことで出てくるのは、デザインがさらに重視されるということです。つまり、カップ酒は容器であり、飲酒器でもあるわけですね。こういうものは、世界でワンカップしかないと思います。となると飽きないデザイン、飽きないラベル、飽きない味、これがすごく大事になってくると思いますので、トータルにコーディネートされたカップというひとつの小宇宙に対して、ものすごい情報発信力を込めておかなければならないと思うんですね。そういう意味で、ぼくはいろんな付加価値がついてくると思うのです。

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