時代や文化とリンクしたお酒に関する旬の情報サイト
酒文化研究所ホームページ
会社概要酒文化の会メールマガジンContact UsTOP
イベント情報酒と文化コラム酒文研おすすめのお店酒文化論稿集酒飲みのミカタ特ダネ
海外の酒めぐり日本各地の酒文化見学できる工場・ミュージアム酒のデータボックスアジア酒街道を行くリンク集

 
<論稿集トップへ

アメリカの日本食ブームとサケ

グローバル化時代の清酒原料調達システム

戦前期朝鮮半島における邦人酒造業の地域的展開と特質

メード・イン・ジャパンの酒の魅力づくり

台湾で広がる吟醸酒

日本酒の国際化

国際化時代の日本酒
酒論稿集
日本の酒の国際化
メード・イン・ジャパンの酒の魅力づくり
アジアの自由貿易圏
 メード・イン・ジャパンの酒の海外での展開のタイミングは、いまが絶好と考えます。その根拠は三つです。
 ひとつは二国間で自由貿易協定を結ぶFAT(Free Trade Agreement)が、急ピッチで結ばれつつあることです。日本はようやくシン ガポールと締結しましたが、欧州、北米、南米、東南アジア、オセアニアでどんどん進行しています。出遅れた日本は韓国やタイなど との交渉を始め、案外早い時期(といっても一〇年のスパンですが)にアジアに大規模な自由貿易圏が成立する可能性があります。
 これまではWTOの枠組みで多国間の自由貿易のフレームづくりが進められてきましたが、加盟国が増加する中で調整が難航し時間 がかかるようになってきました。それで、比較的短い時間で、少数の国で自由貿易の協定を結んでいくFTAが注目されるようになっ てきました。
 FTAでは関税以外の貿易障壁を取り除くために、さまざま調整がなされます。日本でWTOの勧告により一九九七年に蒸留酒の税 率が変更されたのは記憶に新しいところですが、アジアでFTAが成立すれば日本からの酒に不利になるような制度を取り除き、フェ アな競争ができるようになっていきます。もちろん、協定に参加した国からの酒も日本に入ってきます。物ばかりでなく、看護士や弁 護士などソフト面での人材の交流も促進され、域内での労働力の移動も進むと予想されます。

観光立国と日本の酒
 ふたつめは観光立国推進の動きがあることです。二〇〇三年に観光立国の勉強会(観光立国懇談会:座長 木村尚三郎氏)が発足し 四月に報告書が出されました。小泉首相は日本に海外からの観光客をもっとたくさん呼ぼう、二〇一〇年までに年間一〇〇〇万人の外 国人旅行者が来るようにしようと言っています。いま、日本に来る外国人旅行者はその半分以下で、毎年二割ずつ増やさないと達成で きませんから、そうとう頑張らないと難しい数字です。
 観光の貿易収支は、出入りする人の数では日本から海外に行く人が入国する人の四倍弱です。つかう金額を推計すると、日本人旅行 者が海外で落してくるお金は、外国人が日本でつかうお金の九倍を超えます。
 観光立国懇談会の報告書は、内閣関係閣僚会議で『観光立国行動計画?住んでよし 訪れてよしの国づくり戦略行動計画』に具体化 され、海外からの旅行者をもっと増やすためにいくつかの提言にまとめられました。懇談会の報告書と計画は、どちらもなかなかよく できているので一度ご覧になることをおすすめします(首相官邸のホームページで見ることができます)。
 そのなかから懇談会のメンバーであった福川伸次氏(財団法人地球産業文化研究所 顧問)の意見をご紹介します。メード・イン・ ジャパンの酒を海外に広めるためにそのまま活用できると考えるからです。福川氏は「大事なものはCCIだ」と言います。コンテン ツ、コミュニケーション、インフラストラクチャーの頭文字をとった言葉で、「観てみたい・行ってみたいと思うような魅力的な中 身」「それを上手に伝える仕掛け」「コストも含めたハードの整備」というようなものです。 海外に普及していない日本のオリジナルの酒を紹介していく時には、それぞれにどんな魅力があって、たくさんある魅力のなかからど んな相手に何をどのように伝えるのか、おいしく楽しく飲んでもらうために接点の整備をどうするのか、まさにCCIを詰めていくこ とが具体的な市場開拓の活動です。
 余談ですが、この報告書で日本に来る外国人は国によって見たがるものがずいぶん違うという話がありました。台湾からの人は北海 道の雪やディズニーランド、韓国からの人は温泉、欧米からの人は京都なのだそうです。日本の酒も、相手によってどんな順番で何を 話すか、よく考えておかないと十分な成果があがらないということでしょう。

<<前頁へ      次頁へ>>