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 だがアメリカ人経営のスーパーではすし職人を手配できない。
 そこでこれに応じたのが、カリフォルニアに本社を置いて日本人が経営するAFC社である。スーパーにすしめしなどの食材をはじめとして、AFC社が雇っているすし職人を派遣するのである。そしてそのスーパーで売れたすしの売上の20%をスーパーに納める。
 スーパーは店舗の一角をAFC社に貸すだけで、客には職人がその場で作るすしコーナーを持っているとアッピール出来る上に、歩合ではあるが毎日1定の収入が得られるのである。
 スーパーにとってもAFC社にとってもいいことずくめで、それが証拠に96年に全米35州で300店のスーパーに出店していたAFC社の店舗は、2000年には46州の他にカナダにも進出して900店をこえ、02年には1400店をこえた。まさに驚異的な伸びだが、この数は先の6000店の中には含まれていない。
 デリカテッセンでもテイクアウトのすしが売られている。また特に韓国人が経営しているコリアン・デリでは、サラダバーに野菜や果物などに混じってすしのトレイがある。ただしこのすしは生の魚を使ったにぎりずしではなく、カリフォルニアロールのような巻きずしやいなりずしだが。
 このデリのすしは工場で作られたものを毎日配送して貰っているのだが、ニューヨークの「ディーン&デルカ」「バルドッチ」「シッタレラ」「ゼイバーズ」といった高級デリでは、それぞれの店で独自にすし職人を雇い、自分の店で作ったすしを売っている。
 それから全米には約600店の韓国レストランがあるが、これらの店は大抵すしカウンターを持っている。アメリカでは焼き肉とすしを同じ店で食べることができるのだ。
 そして最近では、中国レストランもこれを真似て、店内にすしカウンターを併設する店が増えてきた。すし人気なので、すしビジネスは儲かると踏んで参入してきたのだ。アメリカ人客を狙っているが、近頃は中国人もすしを食べるようになったので、同胞を呼ぼうという算段もある。
 それにしても、かつては生魚は絶対に食べず、野菜でさえ必ず火を通してから食べる中国人がすしを食べる時代になったのだ。なおこの食習慣の変化はアメリカにいる中国人だけに限らず、中国本土でも同じである。北京や上海、広東などには回転ずしの店さえあるし、雲南省の昆明といった海から遙かに離れたところでも、日本レストランが誕生してすしや刺身をメニューに載せている。
 で、こうしたすしを店で出していても、韓国レストランとか中国レストランは当然日本レストランには含まれないので、先程の6000店という数字からは抜け落ちている。
 すなわち、日本レストランの店舗数の伸びだけ見てもその著しいのに驚くのだが、さらにこうした統計にはあらわれないところで売られているすしを考えれば、いかにアメリカのすしブームが凄いかが推察できるというものである。
 ところで、韓国には日本の統治時代にすしが導入されているので、韓国人はすしが何たるかはわかっていると思うが、中国人となるとやはり日本が統治した台湾系は別として、すし体験は非常に浅い。
 その彼らが見よう見まねですしビジネスを始めるとなると、やはり食中毒がこわい。
 生魚を食べて食中毒が起こったとなると、やれ手袋をはめてすしを握れだの、やれ魚は一度冷凍してから使えだのという規制が厳しくなるのは必定である。またこれまでせっかく築き上げてきたすしブームもしぼんでしまうだろう。そんな事態にならないことを祈る。

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