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本格焼酎の産地呼称を考える
崩れつつある県別原料特性
 少し焼酎に詳しい人であれば、九州の焼酎は、鹿児島のいも、熊本の米、宮崎のそば、北部九州の麦という具合に色分けされている と思いがちである。しかし、最近の麦焼酎人気の中でどこの県でも麦焼酎が多く造られるようになってきている。図表4は九州大手焼 酎メーカー三三社の昨年の原料別販売構成比から鹿児島と宮崎の原料別構成比を推定したものである。宮崎では、既に過半数が麦焼酎 となっている。鹿児島ではさつま芋焼酎が六割強を占めているが、この他に未納税(いわゆる桶売り)で麦焼酎を造っている量が相当 あると言われている。したがって産地名呼称で原料を特定することはかなり難しい。
 しかし、そもそもさまざまな原料で造っている本格焼酎なのであるから、それを無理に同じカテゴリーで括ることに拘る必要もない と思う。さつま芋焼酎と麦焼酎、そば焼酎では大きく風味は異なるし、粕取り焼酎に至っては、ほかの本格焼酎とは製法からしてまっ たく違う。酒税を徴収するための酒税法による区分と、産地間、企業間の競争上で差別化を図り消費者への認知を促進するためにおこ なうための表示は、分けて考えてもよいのではないか。

仏ワインのAOC制度の概要
 外国(含む国内の産地以外への販売)への輸出ということと自国産業の付加価値を高めたという点では、フランスワインの原産地呼 称制度(AOC)がもっとも成功しており、参考となる。この組立をおさらいしてみよう。図表5にブルゴーニュ地区を例にとっ てフランスの国内産ワインの格付けを表にした。いちばん基準が緩いのがECターブル(EC域内で採れたぶどうを原料にフランス 国内で製造されたもの)、次がヴァンドターブル(フランス国内のぶどうを原料にしたもの)、このふたつには価格やグレードでの明 確な差はない。その次が地ワインと呼ばれるものでぶどう産地を表示することが可能となるヴァンドペイ。そしてVDQS(原産地呼 称ワイン:AOCよりは緩やかな規定だが、品種・製法などに制限がかかる)とAOCワインがある。
 近年指定地域が増えているので、フランス国内で生産されるワインの三分の一がAOCと言われている。そしてAC地域以上になる と、さらに村名ワイン(ボルドーでは地区名)、特級と一級がある畑名ワイン(ボルドーでは村名)へと細分化されていく。同一カテゴリ ーの中でも上下の関係が設けられて複雑なヒエラルキーを形づくっているが、基本的に上位にいくほど、産地が狭まりぶどうの単位あ たり収穫量等の制限も厳しくなる。
 また、使われるぶどうの品種もAOCを名乗るものは、あらかじめ登録されたものだけに制限され、この規定も上位へいくほど細か く制限される。たとえば村名を名乗るワインはそれだけでぶどう品種までわかるわけだ。しかしその村で作られるぶどうがすべてその 品種だけとは限らない。場所によっては、別の品種も作られているかもしれない。その場合にはその村名を名乗らず、ぶどう品種の制 限が緩いレベルの地域名などを名乗ることになる。だから必ずしも広い地域名を冠したワインが格下になるわけではないというのがお もしろい。

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