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 次に酒の種類別ではどう推移していくのかを検討するために、各酒類の一世帯あたりの消費金額を、世帯主の年齢層別に時系列で見 ていこう(総務省「家計調査」)。これにより、酒類ごとに核となるユーザーがどの年齢層(あるいは世代)になっているかがわかる。 若い層でユーザーが増加していれば、将来、確実な消費増が期待できる。反対ならば画期的な商品の登場や構造的な消費トレンドの変 化がなければ消費減退は免れない。
 では、酒類全体の消費金額を見てみよう。二〇〇三年が約四万六〇〇〇円で、一〇年前の一九九三年に比べ一二%も減少している。 この水準は二〇年前の一九八三年とほぼ同じだ(図表3)。
 酒類別構成比の変化を見ると、清酒、ウイスキーが大きく減少し、焼酎、ワインが増加している。ビールの構成比はこの一〇年はあ まり変わっていないが、二〇年前に比べると一〇ポイント増えている(図表4)。
酒類全体の消費金額を年齢階層別に見ると年齢の上昇とともに金額が増加し、五〇代がピークで、六〇代になると減少傾向になる この一〇年間その傾向は変わらないが、二〇〇三年はそれ以前の年度に比べ、三〇代から五〇代の層の支出金額が一九九八年を大きく 下回っている。若年層で先に浸透した発泡酒が、この年齢層に広く定着し、全体の支出金額を引き下げたことが大きかったと思われる (図表5)。
ニューカマーがとれていない清酒
 清酒の支出金額は減少を続けており、二〇〇三年は一〇年前から三割も減った。二〇年前の一九八三年と比べると四割減であるから、 この一〇年間での減少が特に大きかったことがわかる(図表6@)。構成比は昨年二割を切った。
 年齢層別に見ると、年齢が高くなるほど消費金額も高く、この傾向はいずれの年次でも同様である。また年齢別の金額差も大きく、 二〇〇三年を例にするなら、六〇代以上の金額は四〇代の倍はある。気になるのは五年ごとに三〇代以上の年齢ですべて消費金額が低 下している点だ。これは二〇代など若い層で飲酒が増えていないことと、歳を重ねても清酒の消費が増えていないことを意味する (図表7@)。年齢層別にみた消費支出金額の推移からは、残念ながら今後、清酒の需要が増 加に転じる兆しを見出すことはできない。

中高年がリードする焼酎ブーム
 焼酎は飛躍的に伸びている。需要層を若い世代や女性に拡大し、本格志向や健康志向の時流にものっている。一九八三年には一九四 五円であったのが、一九九三年には三三一七円(七一ポイント増)、二〇〇三年は五八〇九円で、二〇年間で三倍に成長した。一〇年 前と比べても一・八倍である(図表6A)。
 年齢層別で、二〇〇三年を見ると、年齢層が四〇代以上で高く、五〇代が七〇〇〇円超でピークになっている。それ以前の年度も年 齢の増加とともに消費金額も上昇しているが、二〇〇三年ほど顕著ではない(図表7A)。
 とにかく、焼酎は新しいユーザーをしっかり掴んでいる。若年層で消費が増えているだけでなく、中高年層でも年々着実に消費が増 えている。少なくとも一〇年にわたって増加傾向を維持し、ほぼすべての年齢層に支出増が認められることから、今後もさらに消費が 拡大していく可能性が高い。むしろ、焼酎が減少に転じる理由を見つけることのほうが難しい。

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