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ビールは苦いから嫌い
 もっとも、「ビールは苦いから嫌い」というのはどうやら女性だけではないらしい。
 大学二年、今年二一歳の三木本進さん(仮名)は、そもそもアルコールにあまり強くない。自宅ではほとんど飲まず、外で飲むのも月に一回程度。同居している親や、親戚など周りを見回してもアルコールに弱い人が多く、遺伝かもしれないと本人はいう。
「ビールは、好きじゃないんですよね。サワーとかのほうが甘いじゃないですか。僕は個人的にソフトドリンクとかジュースとかが好きなんで、その延長にアルコールが入ってるとおいしく飲めるんですよ」
 やはり、その苦さがネックになっているようだ。三木本さんは、がんばってもビールだと中ジョッキ半分が限度。日本酒とビールを出されたらビールを選ぶが、ジュースとビールならジュースに手が出るという。
 友だちと飲みに行った時は、いつも甘めのサワーだが、特にどのサワーとは決めず、一杯目は「ファジーネーブル」、二杯目は「レモン」などいろんなものを試してみることが多い。つまり、酒も「ソフトドリンクの延長」(三木本さん)というわけだ。
 杉下亜希さん(仮名)もビールよりサワー党だ。ふだんソフトドリンク類はあまり飲まないが、サワーを選ぶ時には「ウーロンハイ」などの甘くないものは好まず、「梅酒サワー」などがお気に入りのようだ。
 杉下さんは、三木本さんとは違って基本的にはいける口。大学三年の彼女は、スポーツ系サークルに所属していた時には週一回のペースで飲んでいた。父親が日本酒党で、家にも地酒が揃っているので、家ではこちらをつきあうこともあるほどだ。しかし、ビールは苦手だという。
「のどがかわいていると、ふつうの炭酸のジュースだと甘さがのどにへばりつくから、ああいうのがいやだっていうのはわかるんですよ。そういう時はビールのほうがいいなとは思うこともありますけど、それでも、グラス半分も飲めばもういいやって感じですね」
やはり理由は「苦いから」だ。
 大学四年、二一歳の北山英次さん(仮名)は、家で週二回、外で月一回と、飲酒頻度はそこそこあり、アルコールにも比較的強いほうだ。しかし、好んで飲むのは梅酒あるいは梅酒サワー。ビールは飲めば飲めるが自ら好んでは飲まない。母親はビール党で毎晩の晩酌にビールを飲んでいるが、自らは梅酒。家では、「チョーヤ」梅酒のビンや「ウメッシュ」などを買って飲んでいるという。
「嫌いになった理由というのがあって。中学生ぐらいの時に、リンゴジュースの横にビールが置いてあったんですよ(笑)。間違えて飲んじゃって、ゲェッ苦いと感じてからどうも苦手意識ができたみたいです。二〇歳になってから飲めるかなと思って飲んでみたんですけど、やっぱり味は変わってないと感じて」
 ただし、北山さんの場合も、ビールがおいしいと思うこともまったくないわけではないし、飲む場面によってはビールだけで通すこともあるらしい。

辛いモノが嫌いだと苦みも苦手
 こう見てくると、若い人が「とりあえずビール」をしなくなっているのは、「とりあえず」もなにも、「苦いから、ビール自体が嫌い」という極めて単純な理由が強いようだ。
 ここで、北山さんがおもしろいことを言う。
「辛いものが苦手な人って、苦いものも好きじゃないことが多いみたいですよね」
 辛みや苦みはいわゆる「大人の味」。無理して背伸びをしたり、無理矢理勧められて口にしたりするうちに、だんだんとその魅力がわかってくるものなのだろう。
 三木本さんによれば、体育会系などの上下関係がはっきりしているサークルには、ビール好きが多いという。どうやらビールの苦みは慣れてくるとその魅力がわかっていくものとも考えられる。
 しかし、居酒屋で飲むことが多いという学生たちの場合、特に女性が混じっていればなおさら、料理を食べながら飲むケースが多いはずだ。グルメ志向と言われるなかで甘いサワー類が料理と相性がいいとも思えない。
「お好み焼きとジュースだったら平気って、そういう感じで食べているんだと思います。おつまみは揚げ物が多いですね。私たちはファストフードを口にする機会が多いじゃないですか。だからたぶん、同じ感覚なんだと思います」(杉下さん)
 たしかにファストフード店では、ハンバーガーやフライドチキンにコーラという組み合わせで違和感はない。そう考えれば、甘めのサワーを飲みながらでも、揚げ物系ならそう抵抗なく食べられるのかもしれない。

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