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写真6 サローネ・デル・グーストは、専門家向けのセミナーも充実しています。イタリアの食材を中心に、世界各国のさまざまな食材や酒類のワークショップが、208コースも用意されるほか、一流のシェフによる調理デモンストレーションも開催されます。
 ワークショップは1日に3回、13時・16時・19時に開催され、参加者に応じて大小10室ほどのセミナールームが割り当てられます。すべて有料で、高級な食材やワインのワークショップには、受講料が5000円を超えるものもあります。事前にインターネットから予約するのが原則で、なかには1カ月も前に席が売切れてしまっていた人気ワークショップもありました。
 酒類に関するワークショップも多く、「1997年のバローロワイン」「イタリアのマイクロ・ブリュワリー」「ベルギー・ワロン地方で広がる伝統製法のビールづくり」「魚介料理のための日本酒」「西洋と東洋の出会い−日本酒とチーズのマッチング体験」など、全コースの3割ほどを占めます。
写真7 日本酒をテーマにしたワークショップのひとつ、「日本酒とチーズのマッチング体験」は、宮城スローフード協会のリードで開催されたものです。日本酒ジャーナリストの松崎晴雄氏とイタリアのチーズ生産者が講師を務め、簡単に日本酒の成り立ちとチーズの特徴を説明した後、7種類のチーズと4種類の日本酒の組み合わせを試します。用意されたチーズは、モツァレラ、白カビ系、ブルー系、羊の乳のチーズ、濃縮された旨味のハードタイプなどです。香り・塩気・食感・味の濃さなどバラエティに富んでおり、食べ慣れない人には香りがきついものもありました。驚いたことに、皿にきれいに盛り付けられたチーズの中央には、味噌がのっていました。発酵食品であるためか、予想外にチーズとの相性がよく、日本酒とチーズを上手につないでくれました。これに合わせる日本酒は、「酸味と甘みが強い低アルコールタイプ(一ノ蔵ひめぜん)」「なめらかな燗酒(浦霞からくち本醸造)」「すっきりした吟醸タイプ(華心純米吟醸)」「こくのある熟成タイプ(鳳陽19年古酒)」です。
資料1 受講者は30名ほどで、日本酒のテイスティングは初めてという方がほとんどのようでした。日本酒にも、さまざまなタイプがあり、温度や食材によって違った顔を見せることに驚いた様子です。ただ、一部のチーズの強い動物臭はどの日本酒も十分マスキングできず、後味が素直に消えていく感覚が得られなかったように思います。後日、動物臭が強い伝統的な生ハムと日本酒を合わせたときも同様でした。日本酒と料理の相性を体験させるには、動物臭の強い食材を避けるか、相応に調理されたものと合わせていくのがベターであるように感じます。
 これらのワークショップでは一般の参加者以上にプロの姿をよく見かけます。レストランや流通業の関係者、ジャーナリストなどです。サローネ・デル・グーストは、試食・即売ブースで一般向けに楽しみを提供していることに加えて、このワークショップではより食品に関心の強い人々や専門家のニーズに応えているということもできましょう。ですから、実験的な試みも多く見かけられます。たとえば、ベルギー・ワロン地方のビールのワークショップでは、この地方を代表する修道院ビール「オルヴァル」などの紹介はまったくありません。これまで農閑期にビールをつくっていた本当に小規模なビール生産者と、彼らのきわめて個性的なビールの紹介が主眼です。生産者たちは、ワインのテイスティング手法にのっとって自身のビールを説明していきます。認知度の低い商品では、プロが集まるこうした場でプレゼンテーションすることは、大いに意義のあることです。

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