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丁寧に、もっと丁寧に現実を探ることから
岩村 直近の(未発表の)データを見ますと、一層「手作り重視」は下落して、食はなるべく簡単に済ませたいものになってきているんですよ。
−それは1960年以降生まれの私はまったく違和感はありません。手作りよりも簡便な方法のほうがおいしいことはよくあります。味覚がそれに慣らされてしまっているということもあるかもしれませんが、加工食品でも専門家の設計したもののほうがおいしいのだと思います。ただ、食の位置付けがどんどん下になり、ないがしろにされていくことに危機感を強く感じます。
 このあたりは実は『変わる家族 変わる食卓』を読ませていただいた時にも感じたんです。紹介されるむちゃくちゃな食卓風景や家族像に対して、あるべき論を振りかざしてお説教したくなる気持ちと「こんなもんでいいんじゃないの」という気持ちが、自分のなかでぐちゃぐちゃになりました。途中で不快感のほうが勝ってしまって本を閉じてしまったり、それでもそこにもう一度戻らざるを得なくなったりということを繰り返しまして、けっこうエネルギーが要りました。お話をお聞きしていると、食の乱れの根は広く深く複雑で、どうやってもこの流れから抜け出せないのではないかと思えてきます。岩村さんはどうお考えですか?

岩村 私は、「夕食は一緒に食べよう」とか「父権の回復」とかいうのは、もはやあまり意味がないのではないかと考えています。
 断片的な情報や自己の体験に基づく類推、思い込みをもとに論じるのではなく、まずは丁寧に丁寧に現代の食の実態を見直していくこと。そこからしか次の策は見えてこないと思っています。
−私どもも酒を軸にしながら、じっくり考えてみたいと思います。

(2003年9月17日(株)アサツー ディ・ケイ ラウンジ・聞き手/山田聡昭 酒文化研究所)

【食DRIVE】
食卓の定性調査。対象は一九六〇年以降生まれの主婦の世帯。この世帯での食卓と家族の変容を明らかにすることを目的とする。一九九八年以降、毎年行ない、これまでに111世帯、2331の食卓データを分析。
調査は三つのステップからなり、重層的に分析するところに特徴がある。第一ステップで対象世帯に食に関するアンケート調査を実施。第二ステップでは一日三食一週間分連続で、食卓にのったすべてのものについて詳細な記述と写真撮影をさせる。第三ステップで、アンケートの回答と実際の食卓記録とをつき合せ、矛盾点や疑問点を中心に面接によって背景や理由を明らかにする。こうした手法は、アンケートやインタビューなどの従来の調査手法では捉えきれない多面的で深い意識と実態を、そのまま掴み取るために開発された。

【プロフィール】
岩村暢子(いわむら・のぶこ)
1953年北海道生まれ、法政大卒業。社会心理学を学び、リサーチの仕事を中心に活動を続ける。2001年から株式会社アサツー ディ・ケイ200Xファミリーデザインルーム長。

月刊酒文化 2003年12月

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