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植民地支配が酒を決めた
photo海老沢 でも、いろいろ仕入れていると、おもしろいのはラベルです。ラベルを見比べてください。何か気付きませんか?
 ラムの表記がRUMとRON、RHUMがあるでしょう。RUMは英語表記、RONはスペイン語表記、RHUMはフランス語表記です。もともとラムは母国好み、つまり植民地として支配していた国好みの味に造られていたことがわかります。
 ジャマイカやガイアナなどはイギリス領でしたからRUMで、ウイスキーのようなポットスティルタイプの蒸溜器で蒸溜されています。ハイチやマルティニック島などフランス領だったところはRHUM。蒸溜器はブランデーと同じシャラントタイプです。グァテマラやキューバなどスペイン領だったところはRONです。スペイン領だったところがどんな蒸溜器を使っているのか不勉強で存じませんが、ポルトガル領だったブラジルではポットスティルタイプだそうですから、同じタイプかもしれません。今度ご来店くださる時までに調べておきますね。
 また、ラベルやボトルの全体の雰囲気は、バーボンが無くした自由さがラムにはあるように思います。南国のおおらかさというか、小さくてまだ貧しい国の「何でもあり」という感じです。古き良きアメリカではきっとバーボンも同じような臭いを持っていたのではないかと思います。

リラックスして飲める酒
−しかし、ほとんどの人が酒の種類としてしか知らないラムで、よく専門店として商売が軌道に乗りましたね
海老沢 開店当初はほんとうにラムを飲まれるお客様が少なくて、ラムとバーボンの比率は半々でした。皆様、ラムはお菓子かラムレーズンというイメージが強く、「所詮ラムじゃないか」という感覚でした。バーテンダー仲間でもラムについて詳しい人はいませんでしたし、皆で私の店に集まって勉強会をやろうよというレベルでした。ここからラムにシフトさせるのは、おっしゃるとおりなかなかたいへんなことでした。
−どんなふうにラムをお勧めされたのですか。
海老沢 バーボンとラムはどちらも甘い酒で、そこは繋がっています。シングルモルトからはちょっと距離がある。
 初めは飲みやすくてネトッとしたものをお勧めします。“Ron Zacapa Centenaria(グァテマラ産)”や“Bacardi Spici(キューバ産)”などです。このタイプはほかの酒類との違いがわかりやすく、香味の完成度も高いので「『違う』というだけではなく『いいものだ』」という印象を持っていただきやすいのです。男性より女性のほうが受け入れてくださいます。おそらく女性は酒に対して頭が凝り固まっていないからでしょうね。
 それから徐々に辛めの、シングルモルト風なラムをお勧めするようにしています。たとえば“Monymusk Distillery(ジャマイカ産)”のようなラムですね。
 難しいのは、わざわざラムを飲みに来た日は背筋を延ばしてうんちく臭い酒ではなく、リラックスして飲める酒を飲みたいとおっしゃるお客様が多いことです。それでかなり飲み慣れたお客様にも、案外甘めのラムのほうがよく出ます。
−飲み方は、どのような飲み方をお勧めしているのですか
海老沢 ストレートやロック・・・・・・でも、ラムは飲み方だって自由です。
 かつて、競馬で勝ったからとおっしゃるお客様が、一度やってみたかったと「ヴィンテージものの極上のラムをコーラで割って欲しい」と言われました。オーダーを受けた時はもったいないなと思いましたが、何とそれほどのラムはコーラにも負けなかったのです。コーラで割っても、元のおいしいラムの味が残っていました。
 このことで、私は2つのことを勉強させられました。1つは、よい酒は強烈な飲みもので割っても負けないということ。2つ目は、ラムを勉強していくとなるべくストレートで飲もうとするけれど自由に飲んでいいのだということの大切さです。これらを知ったうえで、お客様にも「どうぞご自由なスタイルでお飲みください」と言うべきなのですね。

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