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酒論稿集
その他
サトウキビから生まれた魅惑のお酒
糖蜜タイプとアグリコールタイプ
−バラエティ豊かなラムですが、どんなタイプに分けて覚えればいいでしょうか。
海老沢 いろいろな分け方があるのですが、蒸溜方法と原料のサトウキビの処理方法で分けるのが一般的でしょうか。色で分けることもあります。
 まず、焼酎の甲類と同じ連続式蒸溜で癖のない味わいに仕上げるライトタイプ。そして乙類やモルトウイスキー、ブランデーと同じ単式蒸溜でのヘビータイプです。一般にカクテルベースとしては前者がよく使われます。
 ヘビータイプは原料処理の方法で、糖蜜タイプとアグリコールタイプに分かれます。糖蜜タイプは、原料のサトウキビを絞り汁を煮詰めて、白糖の結晶を取り去った後の廃糖蜜を使って醗酵させたものです。一方、アグリコールタイプは、絞り汁をそのまますぐに醗酵させます。こだわりのラムとして評価が高いものの多くはこのタイプです。
−アグリコールタイプはブラジルのアーティザン・カシャーサと同じ製法ですね。
海老沢 よくご存知ですね。ええ、基本的に同じです。
 カシャーサはブラジルの国民酒とも言える酒で、ラムと同じくサトウキビから造る蒸溜酒です。これまで連続蒸溜された大量生産品がよく飲まれてきました。これだけならばカシャーサをあえて取り扱う理由はないのですが、最近は小規模な蒸溜所が手作業で造るアーティザン・カシャーサにいいものがあることが知られるようになって、アグリコールタイプのラムと同じようにマニアックな評価が出てきています。
 でも不思議なんですよ。アグリコール・ラムとアーティザン・カシャーサを飲み比べると、ほんとうに同じ原料・製法で造った酒かと思うくらい違いがあるのです。アーティザン・カシャーサはアグリコール・ラムにはない酸味やドライな感じがあって、酒が風土や飲み手の嗜好によって長い年月のあいだに違ったものに仕上がっていくことがよくわかります。ここにも10種類ほど置いていますが、肉や魚料理によく合う“Coluninha”、ブランデー風のニュアンスがある“CACHOEIRA”、甘くてラムに近いニュアンスがある“Casa Grande”あたりから試してみるといいと思います。
分類
ラムに掛ける夢
−ところでラムを飲みに来るお客様の年齢層はどのくらいの方が多いのですか。
海老沢 20代半ばから50代まで、ほんとうに幅広い方に来ていただいています。50代の方が来られるようになったのはここ2〜3年ですが、わざわざここに来られる50代の方は、ほんとうにラムが好きな方が多いですね。
−最後に海老沢さんの夢を教えてください。
海老沢 今はこうして隠れ家的な小さなバーをやっていますが、もっとメジャーな方向に情報を発信できる店を持ちたいと思います。
 チャンスがあれば今の3〜4倍のスペースで、2階か地下1階あたりの立地でやりたいですね。お酒好きな大人の方にも満足していただけて、かつ、若い人にも気軽に楽しんでもらえる店にできれば1番かな。ラムならばそれができるように感じています。それと、年に1回くらいはラムの産地を訪ねて勉強したいですね。
−今日は、どうもありがとうございました。ひとくちにラムといっても奥が深く、原料や自然条件が似通っていても社会や制度によって酒が変わるのだということが見えて興味深かったです。サトウキビの酒を通じて世界の政治史が垣間見えた気がします。
(2005年3月23日「スクリュードライバー」 聞き手/酒文化研究所 山田聡昭)

【メモ】
SCREW DRIVER
電話 0422・20・5112
http://www.screw-driver.com
東京都武蔵野市吉祥寺本町1・20・15
営業時間 19時〜4時


月刊酒文化 2005年6月

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