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日本の酒税が歩んできた道
酒類間税格差と是正の方向感
 その結果、図表3に示したように一石あたりのアルコール度数1度あたりの課税金額は、酒類によって大きく異なるようになっていきました。昭和28年から平成5年までは、ビールとウイスキーの課税額が群を抜いて高い状態が続きました。ウイスキーの酒税が他の酒類並みに引き下げられたのは、EU諸国の要請で蒸留酒税格差の是正がなされたからで、ビールはいまだに著しい高負担を強いられています。また、清酒は昭和60年代までは比較的高い税負担を強いられていましたが、現在では他の酒類並みになっています。
 このように見てくると、醸造酒の税格差の是正は、酒税収入の減少を許さないならば、酒税法のなかだけでの解決は困難であると思えます。単純に格差を是正すれば、ビール以外の酒類は大増税となり、企業活動に与える影響が大きすぎます。また、前述のように酒税率によって多方面での調整をおこなってきたことも問題の一因だとすれば、本来とるべき調整手法に仕分けしなおすのが道理と思えるからです。
 また、図表4に示したように、消費税などの間接税比率は40%を超えて漸増する一方で、酒税の国税に占める割合は年々低下し、平成17年には3.4%になっています。労働人口が減少するなか間接税比率を下げることは考えにくいこと、酒類消費量の漸減により応量制の酒税収入は減少することなどから、この傾向は今後も継続することが予想されます。さらに、国内酒類市場は量的な飽和から、高付加価値商品づくりに経営資源をシフトします。当然、従価税型の課税方式の適切性が高まります。
 したがって、酒税格差の是正は、行政コストの削減と財政健全化の実施プランのなかで、消費税など間接税の税収確保の一部として長期的に検討することを、第一に確認しておくべきでしょう。
 短期的には格差是正の第1歩として、アルコール度数別課税を原則とし、表示とは切り離した課税のための酒類の分類基準を設けることが現実的と思われます。区分方法は、欧米諸国に見られる課税区分を参考に、「醸造酒(規定内で酒精強化したものを含む)」「蒸留酒その他」「醸造酒.蒸留酒によらずアルコール度数10%以下の発泡性の飲料」などが考えられそうです。併せて、酒類の表示のための定義について、その酒の文化的バックボーンを踏まえて、十分な議論をしていく必要がありましょう。(図表5)



月刊酒文化 2005年10月

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