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2 生産調整と酒造好適米
(1)酒造好適米増加の背景
 現在、酒造用米の流通量は年間およそ50万t程度である。そのうち酒造好適米は10万t弱で、残りの40万tは酒造適性米と呼ばれる水稲うるち米が使われている。
 主な調達ルートとしては、自主流通米30万t、加工用米12万t、計画外米.酒造用くず米等5万t等と多岐にわたっている。
 この中で数年、流通量を伸ばしたのが酒造好適米である。その要因として、近年における高級酒志向もあげられるが、ここではそれ以外の要因についても検討し、酒造好適米の増加の背景を探る。考えられるのは生産調整という政策的要因の影響についてである。水稲うるち米の作付面積は最近10年間でほぼ30万ha減少したのだが、その理由として(1)慢性的な米余りに加えMA米(海外からのミニマムアクセス米)の流入増加に伴う生産調整面積の増加、(2)麦、大豆、飼料作物等への転作の強化、(3)農業従事者の高齢化に伴う耕作放棄地の増加等があげられる。このように政策的な要因により左右されるウェートが高い。米価の下落が続く中、一層その傾向が強くなってきている。
 そういう中で注目され出したのが酒造好適米である。栽培農家のメリットとしては、(1)高価格で取引されているので収入増が期待できる、(2)契約栽培を基本とし安定した需要が見込まれるため、農家のリスクヘッジになり得ること、(3)食用米の早生、中生品種と組み合わせることにより、熟期分散が可能となり、栽培管理や機械作業の面での労務分散が可能となり得ることなどがあげられよう。最近10年間で約5000haほど増加し、現在は約2万haほどの作付が行われるようになり、全国に作付が広がっている。また酒造好適米は1般食用米への転用がきかないことを考慮すると、酒造好適米の作付面積が増加することは転作面積が増加しているとも考えることができる。これらが酒造好適米増加の背景としてあげられよう。
 出回り数量は要するに収穫量である。これは台風、少雨などの気象的要因の影響が大きい。実際、作付面積が前年より増加していても、天候不順により出回り数量が減少するということがよくある。
(2)米作における酒造好適米のウエート
 ここで、米作全体のなかで酒造好適米がどの程度のウエートをもっているのかを確認しておきたい(図表6)。
 まず作付面積であるが、89年には水稲うるち米の作付面積は185万7099ha。そのうち酒造好適米は1万6406haで全体のわずかに0.9%しかなかった。しかしその後、酒造好適米の作付面積は増加を続け、98年には最高となる2万455haを記録し、酒造好適米の全体に占める割合も1.3%へと上昇した。最新である2001年でも1.2%を占めている。現在、酒造好適米の作付面積は2万haをピークに緩やかに減少をしているが、水稲うるち米の作付面積は減反政策の影響もありこの10年でほぼ30万ha減少した。その結果、酒造好適米の作付面積は全体の作付面積の1%以上を確実に占めるようになった。
 次に出回り数量だが、89年には酒造好適米は水稲うるち米のわずかに1.3%を占めるにすぎなかった。その後、数年間、水稲うるち米の出回り数量は増加する。大凶作であった93年は別として、水稲うるち米の総出回り数量は94年に731万3433tとなる。以降は生産調整の強化などもあり96年以降は急激に減少していく(図表7)。
 一方、酒造好適米の出回り数量は96年に初の10万t台となり、翌97年も10万1205tであったが、頭打ちとなった感があり、その後は緩やかに減少しだす。それでも水稲うるち米が大きく落ち込んだため、酒造好適米は全体の2.1%(98年)を占めるようになった。
 結局、水稲うるち米の総出回り数量も作付面積同様、この10年で130万t減少した。水稲うるち米が大幅に減少し、酒造好適米が増加した結果、酒造好適米の全体に占める割合が上昇したのである。そして、各都道府県の酒造好適米に対しての扱いに変化が見られるようになったのである。

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