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秘伝の酒ベヘロフカ
写真 プラハから西に直線距離で約50qの位置にプルゼニュはあるが、そこからさらに50qくらい北上すると「カルロヴィ・ヴァリ」という町がある。ドイツとの国境に近い町、カルロヴィ・ヴァリのバスターミナルから歩いて5分ほどの所にベヘロフカ社(ヤン・ベヘール博物館)がある。訪れた日はあいにくの雨で、町はもやの中のように薄暗く、写真家の私にとっては最悪のコンディションだったが、未知の世界をのぞき見る時の快い興奮が、そんなことを忘れさせてくれる。ベヘロフカという酒の存在は今回チェコを訪れるまで知らなかったので、工場を見る前にどのような酒なのか試飲をすることにした。
この酒は38度のスピリッツというだけあり、鼻先に持ってくると強烈なアルコール臭がする。そして100種類以上といわれるハーブ(薬草)の臭いがとけ込み独特の香りを醸している。少し口に含むがあまりの薬くすり味に「ウッ」となってしまった。「良薬口に苦し」とはよく言ったもので元々は胃薬として調合され、消化器系疾患に薬効があるという。温泉保養地として有名なここカルロヴィ・ヴァリの13番目の源泉とも言われている。普通は果実のジュースで割って飲むと聞いていたが「なるほど」と思った。ガイド本には「チェコの養命酒」と書いてある。しかし日本のものは結構おいしいのでそれを想像していた私には「どこがだ」という思いがした。
「日本から来た」とPRESS証を見せたら工場には入れてくれた。しかし製法が極秘というだけあり肝心なところは見せてもらえなかったのと、チェコ語だけの案内であまり理解できなかった。工場に入ると先ずスピリッツの製造過程に案内された。原料は果実と薬草(ハーブ)であるが果実の発酵段階で薬草を添加していく方法と、蒸留後ハーブをつけ込む方法がある。200年ほど前、はじめてこの酒が造られた当時は両方法があったようだが、今では先の方法が主流とのことだ。
100種類以上のハーブというだけあって、私にはなじみの無いものが殆どだ。知っているものを探す方が難しいが、バジル、シナモンなどおなじみのものもある。少し乱暴な言い方をすると毒草でなければ何でも入れてしまうような感じだ。あまり熱心でない適当な案内係と言葉の問題で多くは判らなかったが、これも秘かに製法を伝えていることを考えれば仕方ないかと自分を納得させた。このほかにこの社には「スリフォヴィッチェ」という果実から作る蒸留酒があるが、これが先のベヘロフカの薬草抜きの酒なのか、全然別のものなのかという疑問が残った。写真ただボヘミア地方にかぎらずチェコやスロヴァキアの一般家庭でも作られているようなので、日本の焼酎のように普遍的な物なのだろう。ほんのりと果実の香りがして、それでいてアルコール度の高い、ちょうどウオッカのような感じを思い浮かべると近いかも知れない。

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