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日本と海外の酒めぐり
イスラエルの酒事情
イスラエルの酒事情
高品質ワインの誕生
photo 1980年代初頭にゴラン高原ワイナリーが近代的高品質ワインの生産をはじめ、それに続いて多くのブティック・ワイナリー(家族経営の小規模だが高品質のワイナリー)が生まれたことも、消費者のワインへの関心を高めた。イスラエルワインといえば儀式用の甘口赤ワインという時代から、国際的にも通用する辛口ワインへの転換が成功したのだ。今日イスラエルの1人あたりの年間ワイン消費量は7リットル(ちなみに日本は約2リットル)で、レストランなどではごく普通にワインが楽しまれている。消費性向は世界のトレンドと同じく甘口から辛口へ、白ワインから赤ワインへの移行が見られる。現在イスラエルは年間6000万本のワインを生産、1500万本のワインを輸入している。
 ユダヤ教にはアルコール消費に関するタブーはない。それどころか葡萄は神聖な神の祝福を受けた果物とされていて、それから造られるワインは信仰の中で重要な役割を担っている。金曜日の日没に始まる安息日(シャバット)には、家族、友人が集まりキドゥーシュという儀式を行い神に感謝を捧げるが、祈祷書を読み上げた後に皆が小さなコップに入ったワインを飲みほす。そのとき使用するグラスは特別のもので、銀の杯が使われることも多い。エジプト脱出を記念する過越祭(ペサハ)でも、新年の祭りでも、ワインは欠かせない要素だ。

ユダヤ教での飲食
photo ワインの消費に対するタブーはないが、その製造に関しては信じられないほど細かい規則が定められている。ユダヤ教の宗教的適合規定コシャー(ヘブライ語ではカシュルートで、「純粋」を意味する)である。コシャーとはユダヤ教の食に関する規則で、ワインだけでなくすべての食べ物に関して細かく定められた規則がある。たとえば、肉は蹄が分かれ反芻するものしか食べてはいけないので、牛、羊はよいが、豚は駄目。しかも肉は基本的に血抜きするので、かなりパサパサのものになる。血の滴るステーキなどはご法度だ。鶏は食べてもよいが、ダチョウは駄目。魚はひれと鱗があるものがよいのでほとんど食べられるが、エビ、タコ、カニ、イカ、貝類は駄目。また、肉と乳製品の両方を同時に食べることも禁止されていて、チーズバーガーや肉のヨーグルトソースは駄目、と言った具合にあらゆることが細かく規定されている。敬虔なユダヤ教徒はコシャーの食品しか食べないし、レストランもコシャー、非コシャーがはっきりと分かれている。
 ワイン造りにおけるコシャーの規則も実に細かい。まず畑から見ると、葡萄の樹を植えてから3年間は葡萄を収穫することは禁止されていて、4年目からようやく収穫できる。安息日(シャバット)と同じ考え方で、最初の収穫から7年ごとに安息年があり、その年の葡萄はワイン造りに使用してはいけない。葡萄の畝の間に野菜、果実など他の耕作を行うことも禁止されている。

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