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日本と海外の酒めぐり
カシャーサ・ひすとりい
カシャーサ・ひすとりい  
カイピリーニャのブームとアーティザン
 ブラジルが国をあげてカシャーサを代表産品に仕立てようとしている背景には、海外でのカイピリーニャブームがひと役買っている。冒頭に紹介したようにカイピリーニャは、ライムと砂糖をつかった単純なカクテルで、店によって作り方が微妙に異なるという。日本で言えば、さしづめ飲み屋のチューハイといったものだ。ライムを二分の一に切り(これも店によって輪切りという場合もある)、真ん中の白い房の中心線部分をすべて取り除き、つぶしやすいように皮のふちにもナイフで切れ込みをいれておく。上から砂糖をいれ(現地ではスープスプーンに三杯)よくつぶして果汁と混ぜ合わせる。そのあと氷を加え(クラッシュドアイスが望ましい)グラスのふちまでカシャーサを加えれば出来上がり!
 この簡単さが受けたのか、カクテルオブザイヤーにセレクトされ、インターナショナルバーテンダー協会にて「二一世紀でもっともホットなカクテル」と評されたと、外聞にぎやかである。その波がブラジル国内にも押し寄せた。
 また、そのころ、USドルに対しブラジルの通貨レアル安が進み、輸入品であるスコッチやウイスキーの価格が上がったため、国内にもウイスキーに負けない、いい酒があると、アーティザンを押し上げる要因になった。
 このカイピリーニャに対してご丁寧にもルーラ大統領が2003年10月2日法律を定めた。それによると、「カイピリーニャはカシャーサをライムと砂糖とで割った、アルコール度数15〜36度の飲み物。その際、ライムと砂糖は粉末加工してあるものでもよい」と。
 強気のブラジルはカシャーサが世界で、ブラジルのラムで通っていることが気に入らず、2002年にWCO(世界税関機構)へカシャーサという独立の酒類基準をつくるよう申請した。このカイピリーニャにしても、アーティザンでつくってみたならばどれほど味わい深いカクテルになるか想像に難くないと思うが……。しかし必ずブランキーニャ(透明という意味/樽熟成させて色がないカシャーサ)で楽しんでいただきたい。

【プロフィール】
森戸律子(もりとりつこ)
在ブラジル・サンパウロ八年。ブラジルのアーティスティックな作品を、日本に紹介する活動を続けている。
今後も自分の切り口でアートなものを探していく予定。

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