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日本と海外の酒めぐり
ほろ酔い紀行中国北京
中国の居酒屋で考える  
瀋陽の場合では
photo 瀋陽の大関は、台湾からいち早く中国大陸へと進出した大手の製菓会社・旺々との提携で1昨年から造りをはじめた。
 私が視察に行くというので迎えてくれたのは、大関本社の梅原康夫企画本部長だった。余談ながらこの人、今から20年前にアメリカのホリスターにある大関の日本酒工場を訪ねた際に、現地の製造責任者として赴任していた。生真面目な人柄ながら、当時は新婚早々でノロケを聞かされたのを思い出す。
 大関の酒造場は旺々の工場の内部に併設されていて、わが国での場合と特に変わった造りをしているわけでもない。30俵ばりの精米機が稼働し、醸造は永田式が使われていた。
 近頃この工場で特に力を入れているのが冷酒で、このラベルのデザインは梅原氏自身が作成したという。前述の通り、どこの日本料理店のメニューにも「熱燗」がある風潮の中で「冷酒」をもっと訴えることによって日本酒を見直してもらおうという狙いである。
 日本から当地へ来て10年になる奈良部一男という人が瀋陽で経営している「東京饗店」という日本料理店は、日本人の少ないところだけに中国人の客が9割程度で、それも中産階級の人が多いという。料理でよく出るものを順にリストすると、@スキヤキA焼き鳥BウナギC焼き肉……ということだった。
 勿論、メニューには刺身、エビやイカなどのてんぷらといった魚類もあるにはあるが、大連とか天津、上海などの海に面したところならともかく、内陸のこの地方は魚の味に昔から馴染みの少ないところである。肉類、魚類と並ぶと、日本酒にはどちらかといえば魚類との相性に分があっても、このような土地柄では致し方ないのかもしれない。

ビール人気はどの酒場でも
 どの居酒屋でもビールの人気が根強いことに変わりはない。ご承知の通り、中国のビール生産量は、ここ3年来世界一である。
 中華料理のメニューだけで揃えてある店に日本酒が置かれている例はほとんど少ない。ビールの他はやはり黄酒か白酒である。その黄酒、つまり紹興酒は逝江省や江蘇省など上海あたりに限定される趣で、全国的にみれば、白酒が四川省や貴州省のほか、山東省や東北三省、内蒙古のあたりなどに大きく拡がっている。つまり、これは前述のように、内陸でよく食される肉類に酒質が合うことと、値段の安さによる。なにしろアルコール50%を超える白酒の酒販店での値段が、500mlで100円としないのでは、安さについぞ手が出るわけである。
 ただ、このような高濃度の酒が、近年になって次第にアルコールの度数を下げてきた。白酒もかつては60%台が多かったのが、今では50%台や40%台へと次第に低くなってきているのだ。それとともに白酒自体の消費量が、これも年を追うにつれて減ってきた。それはビールの消費と反比例しているといってもいい。


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