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麦焼酎の原産地「壱岐」を訪ねる
超音波熟成のひと味違う酒−猿川
「さるこー」と読む、猿川伊豆酒造場は唯一法人組織になっていない個人経営の形態であるが、歴史は他社同様にほぼ100年を有する。屋敷地の中を猿川が流れているので、この名前がついた。
訪問した時にはちょうど今年の仕込みを始めていた。道路に面した側は店舗になっていて奥に自宅と酒造場がある。米麹の製麹器、蒸留器、もろみを発酵させる開放タンクなどがところ狭しと並んでおり、壱岐の焼酎造りの全容を見るにはコンパクトにまとまっているのが便利であった。
アイデアマンの伊豆氏は、新しい試みに積極的に取り組んでいる。特に蒸留器にはさまざまな工夫をこらして、常圧・減圧両用の「サルコー式蒸留器」と呼べるモノを開発している。かめで仕込み三年熟成させた酒に超音波をかけた「円円(まろまろ)」は、水とアルコールの粒子成分の結びつきがよく、味も一層まろやかで身体への吸収率が高く酔い覚めも早いとのことで評判を呼んでいる。


壱岐最大の新鋭工場−壱岐っ娘
壱岐焼酎協業組合は昭和59年に6社が協業化して発足した壱岐最大手の焼酎メーカーである。「壱岐の華」をはじめとする複数のブランドを持つ。発足後に森に囲まれた標高110mの小高い丘に立つ現在地に新鋭工場を造って移転してきた。
仕込み水は、地下130m以上の深さの井戸を二本掘って使用している。晴れた日には工場から玄界灘が一望できる。また、工場が新しく大きいということもあり、島に訪れた観光客の訪問を一手に引き受けている。
常圧蒸留と減圧蒸留の両方を行い、「壱岐っ娘」(パッケージデザインは壱岐出身のイラストレーター長岡修星氏)をメインブランドにして、島外への出荷も多い。一方で製造数量限定の樫樽五年貯蔵の「無一物」等も造っており、こちらはマニアの間で評価が高まっている。原料の米は地元壱岐産を、麦は熊本県産と、すべて国産のものを使っている。
また、観光客が多く訪れるという特性を生かして、島産の原料を「壱岐っ娘」に漬けて作った「ゆず」と「赤しそ」のリキュールは、さっぱりしていて女性を中心に人気を集めている。こちらも熟成酒の製造量を増やしており、今年中に200坪のシェリー樽専用熟成庫を増設する予定だという。


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