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「長野の酒」からはずれをなくす
制度が持つ意味と夢
長野県原産地呼称管理制度のおかげで、全国の消費者が、長野県にはこんなにたくさんの旨い日本酒がある、認定マークのお酒はどれを飲んでも満足できる、そう認識していただけるようになることを目指している。
「よくデパートなどが、○○県フェアなどと銘打ってイベントをおこないます。でも日本酒の産地で売り物になるのは、新潟だけというのが実状です。
長野県の酒が自立することで、お客様から見えるようになり、結果的に長野県のフェアも盛んにおこなわれるようになってほしいですね。長野県は新潟に隣接しているので、よくひと括りにされてしまいますが、それを突破したいのです。
この願いは、長野の酒造メーカーなら皆さん抱く思いだと思います」他団体が成し得なかった制度。この発足に向けて、各蔵が一致団結したのには、そんな思いも込められていたのだろう。
「たとえばデパートの酒売り場は、ワインこそ産地別になっていますが、写真そのほかは焼酎、日本酒など、ひとくくりに酒の品種別になっています。
この原産地呼称管理制度を各県が確立させれば、デパートの酒売り場も、日本酒を県別コーナーに分けるでしょう。売場の棚割りが変わってくるのではないでしょうか」
たくさん種類がある日本酒は、初心者にとってけっして選びやすいものではありません。上手においしいお酒に出会うには経験や知識が要ります。それは知識を得る楽しさとなる反面、勉強してまでお酒は飲まないという人には邪魔になってしまいます。日本酒の品質を信頼できる仕組みが保証してくれるということは、そうした人々が粗悪な日本酒に当たってしまうリスクを軽減します。たしかに長野県の原産地呼称制度がうまく機能すれば、日本酒の愛飲者を増やす基盤になりそうです。

大信州の酒造り
長野県原産地呼称管理制度の官能検査では、欠点はもってのほか、平均以上の出来が要求されます。田中隆一さんは、「良い酒を造る条件は、酒づくりへの情熱、蔵での品質管理、酒販店での管理、蔵の姿勢が占めると思います。
しかし実は、蔵の姿勢こそが残りの三つを決めてしまうのです。どういう酒を造って、どうなりたいのか。
蔵の当主が良い酒を造りたいと思わないと、どうやればおいしい酒をお客さんの口に入れてもらえるかを考えなければ、情熱も品質管理もあり得ない」この厳しい口調は、田中さん自身が自分に向けたもの、自分を戒めているようにも聞こえます。
「大信州のお酒は、地元の『風土』に根付いた、他と明確に差別化できる酒質を目指しています。つまり、いつも飲んでいる酒とは違う、これぞ大信州の酒と思える酒に仕上げたいのです。販売網もきちんと品質管理をして、必要な時にきちんと説明できる店に限っています。こう売ってほしい、こう管理してほしいという部分をきちんと伝え、店の姿勢や目標もきちんとお聞かせいただいて、お互い納得して取引を成立させるのです。酒販店さんには蔵に来て酒づくりを見てもらいますし、私たちも店に行って販売の現場を確認します。また、現場の情報をおしえていただくこともかかせません。流通段階で質が落ちるようではいけませんから、真剣勝負でごまかしはありません」蔵自体をブランド化していきたいと言い、その夢を次のように話してくれました。
「私は、蔵が華やかにもてはやされる必要はないけど、長野の酒として確固たる地位を地道に作っていきたいと思っています。お客さんへのアプローチとして、第一ステップは旨いと思ってもらえる酒を造ること。でも旨い酒は世の中にいっぱいあるから、次に、飲んで感動してもらえること。そして、思い出深い席、楽しい席に大信州の酒が居合わせ、幸せを実感できたらいいなと思います。これが私たちのビジョンです。そのために、手を抜かず気を入れて、愛情込めて、真剣勝負で造り続けていきたい」 長野の大信州はいま、若い蔵人にバトンタッチをしていく重要な時期。伝統のていねいな酒づくりに、若い情熱を加えて、今後のさらなる成長も楽しみです。
また、長野県原産地呼称管理制度は、日本酒、ワインの次に、そばや肉など、さまざまな農業品の認定が控えています。長野県のこうした活動に期待しつつ、その質に対しては厳しい目を向けていきましょう。おいしいものを安心していただけるのは、幸せなことですから。

大信州酒造株式会社
長野県松本市島立2380
電話 0263(47)0895
FAX 0263(47)8007
月刊酒文化(2003年2月号)

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