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南国土佐ほろ酔い紀行
南国土佐に「酒の国」あり
宿泊付き試飲スペース
「日本酒そのものはたいへん高いパフォーマンスを持っていると思います」と近藤さん。消費量は減っているけれども、きちんと機会を作ってやれば、多くの人が「おいしい」「楽しい」「おもしろい」と言う。彼がユースを半年間やってみての実感である。
酒の国ではどんなプログラムを用意しているのか。
まず常時開いているのが宿泊者向けのきき酒教室(500円)。きき酒の基本を体験するコースで、20代の女性宿泊者の大半が希望する。冬季には酒づくり体験会も開催している。懇意な蔵元に協力いただいて、参加者を募って出かける。
そのほか酒器づくり、竹細工づくり、蛍見物、筍掘りなど自然に触れる企画が盛りだくさん。もちろん蔵見学の希望者には、旅程に合った蔵元を紹介もする。
そして、宿泊者にとってうれしいのは小売価格で酒が飲めることだ。酒の国には酒販免許があり、売店を併設している。そこで好みのお酒を購入し、夕食時にたっぷり楽しめる。品揃えは高知県内の酒。思う存分いただいて、しっかり味見できるから、お土産の酒選びも間違いがない。
「40名ほどの日本酒の会を長く続けてきました。ユニークでエネルギッシュなメンバーばかりで、ここを作る時も設計・デザイン・施工・企画などたいへんなお力添えを頂戴しました。ただ、今までの会の進め方ですと、ある程度の規模になると新しい方が入ってこないのですね。ユースをやると決めた時に、最初に考えたのは人が集まるところをつくって、常に新しい人が行き来するようにすれば、日本酒を広げられるということでした」



ハイレベルで個性的な土佐酒
翌日、近藤さんに四つの蔵元を案内していただいた。もちろんここを紹介してくれた鬼田吉明さんも一緒である。

【仙頭酒造場(芸西村)】
最初に訪ねたのは仙頭酒造場。「土佐しらぎく」の蔵元で高知市と室戸岬の中間に位置する。ここの酒は酒の国共和国の一番人気だという。
仙頭雅男社長から直々に蔵を案内していただいた。かつては2000石も造り桶売りしていた同社だが、15年前に方向転換。現在は300石ほど、納得できる酒だけを丁寧に造るのだという。県外での評価が高く七割は県外出荷。品質管理のしっかりした酒販店としか取引していない。
ところで、小規模な蔵元では杜氏の後継者育成は課題だ。だが、仙頭酒造では38歳の若い社員が杜氏として活躍しており、この難題をいち早く解決している。
近藤さんが「こちらは進取の気風にたいへん富んだ蔵元です。海洋深層水にいち早く着目したのも、ワインと日本酒の酵母を細胞融合させた酵母に一番先に取り組んだのも仙頭さんなのですよ」と補足してくれた。
室戸岬に行くなら途中、ぜひ訪ねたい蔵元である。
【酔鯨酒造(高知市)】
「次は土佐酒らしい酒の筆頭の蔵です」と近藤さんが案内してくれたのは酔鯨酒造だ。坂本竜馬の銅像があり月の名所として知られる桂浜にほど近いところにある。なんと酒づくりの最中にもかかわらず、石元茂治工場長と土居教冶杜氏が二人揃って蔵を案内してくださった。
酒づくりの工程に沿って見学していくと、工程ごとに土居杜氏が「ふつうこの道具はこうなっているけど、ここを改良して……」と自分たちでさまざまな手を加えている様子。そして米の吸水作業だけは土居杜氏が直接見ると言う。
「うちの酒は辛口で酸があるので肉によく合います」と石元工場長。それは、カツオやマグロのような赤身の魚とともに育ってきたことや、暖かい土地で醪が腐るリスクを小さくして造ろうとしてきたこと、それらに現代の技術が加わってできた味わいであろう。


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