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兵庫県産山田錦の強さの秘密
山田錦は昭和11年、兵庫県立農事試験場で生まれた。以来今年で66年、酒米としては異例ともいえる寿命の長さを誇っている。現在では兵庫県のほかに、福岡、徳島、岡山など全国25府県で生産されているが、その作付面積をすべて合計しても兵庫県のおよそ五分の一。さらに、全国新酒鑑評会で見ると、金賞受賞酒は兵庫県産山田錦がほぼ独占しているという
そのため、兵庫県産山田錦のうち65%が県外へと出荷され、その出荷先は北は北海道から南は宮崎県まで40都道府県におよぶ。



「酒米買うなら土地を見て買え」
では、同じ山田錦のなかでもなぜ兵庫県産だけがもてはやされるのか。
昔から、蔵元のあいだでは「酒米買うなら土地を見て買え」といいならわされてきたらしいが、ならばそれはなぜかという問いに一言で答えるのは難しい。
だが、たとえば同じコシヒカリでも、魚沼産の米を食べたことのある人なら、他の地域で育ったそれとはっきり異なるのを知っているはずだ。だから確かに、地質や地形、気候条件などを総合した、その米を栽培する適地というのがあることは納得がいく。
山田錦でいえばそれが兵庫県、なかでも六甲山西部の吉川町、三木市口吉川、東条町、社町東部等なのだという。これらの地域で採れる山田錦は、特に酒づくりの要となる麹米として全国の蔵元の垂涎の的だ。それほど蔵元は、酒米の品種だけでなく、産地にこだわる。
「昔から、福井の500万石は大野市に限るといわれています。現在も目黒の秋刀魚ではないですが、福井の500万石なら大野市と。私が担当した頃に、となりの地域米でもいいかとサンプルを取ってみたことがあります。そうしたら、上司に『ちょっと来い! 違うぞ』とごっつい怒られて(笑)」(菊正宗酒造株式会社 西村芳宏生産部原料米課担当次長)
これは山田錦ではなく、同じ酒米でも500万石の話だが、技術者の酒米に対するこだわりを彷彿とさせるエピソードだ。
つまり、山田錦産地のうちでも最高品質の米を産するといわれる六甲山西部の、谷間にひろがる粘土質の棚田に黄金色の稲穂が実るという風土は、単に郷愁をそそる風景だというばかりでなく、山田錦にとっての最適地を示すサインだというわけである。
もっとも、『兵庫の酒米 山田錦生誕60周年記念誌』(兵庫県・兵庫県酒米振興会、平成八年)は、こうした風土は「大粒の酒米の※登熟に適する条件であり、他の酒米にも共通するものである」としている。
だとすれば、現在山田錦の主産地となっている吉川町、三木市口吉川、東条町、社町東部は、もともと酒米の栽培に適した風土を持っており、その風土で山田錦という優れた資質を持つ品種を生産することによって、日本一の誉れ高い酒米産地となったとも考えることができる。
※登熟…種子が次第に発育・肥大し、炭水化物やタンパク質が集積されること


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